ラッパンアスクその9 大魔術師と第3層
マイシェラたちは仲間の半分を連れてテレポートに失敗!
見知らぬ港町にゴーーーシューーーーーーーーーッ!
【GM】『と、いうことがあったけど、次の日に戻れたということで。』
「まあ、テレポート準備しなおせばいいだけだしね。」
「失敗したのがマイシェラでよかったというべきかなんというか……」
「次の日まで生き残るのが難しい町に出たらどうしよう……」
というやり取りがその日にあったとか。
こうして、ウチは次に取るべき呪文を決めた。
もう何を言われても絶対にとるっていうアレを。
そう、その名はテレパシックボンド。
遠距離でもテレパシー通信できる魔法や。
次にまた失敗しないという保障はないから・・・!
というのはさておいて。
イーストウイッチに戻ったウチらは新たに装備品などを作り直した。
全員分のクロークオブ・レジスタンスを+3に改良。
他、どうしても昔から欲しかった憧れのエルフの手袋。
荷物がいくらでも入りそうなバックオブホールディングIVなど。
期待のブーツオヴスピード3足。
リングオブフリーダムを2つなど(これだけで1ヶ月以上かかった!)。
肩が凝るくらい、マジックアイテムに掛かりきりだったけど、その間にやることがある。
魔法のレパートリーを増やすこと、とくにテレパシックボンドは重要やな。
街で新しくラッパンアスクのことについて情報が出回ってるかもしれへん。
このへんも交渉担当のお仕事なんやな。
勿論、その間は他の皆もバイトしたりして宿代とか稼いでたんやけどね。
* * *
そんなわけで、いざラッパンアスク2階層の続き!
と思って残ってる部屋に入ってみたらいきなり死んでるおねえーさんの死体。
どうも調べると、でっかいもので串刺しにされてたらしい。
たとえだまし討ちを食らわせてくるような悪の敵であっても死んでしまえばホトケさまやね。
塩を一つまみ摘んで、香を焚いて弔う。
さらに探索を進めると、狂ったバーバリアンと遭遇。
どうやら、彼がネズミおねーさんの死因らしい。
考えてみると前回の遭遇から2ヶ月以上たってる。
そりゃあラッパンアスクの中の人たちの動きも色々と変化してるんやね。
だからって、死んでるとは思わんかったけど……。
* * *
そういうわけで、大した遭遇もなく3層に到着。
階段を降りた先は石きり、というよりもレンガを組み合わせた人工的な空間。
出口のアーチには、一際目立つ字でこう書かれていた。
『パープルワームにご注意を! 大魔導士、シュピーゲル』
皆して、顔を見合わせる。「あ~~~。」 って
* * *
第3層は、巨大な洞窟、というよりも岩のホールのような場所だった。
自然の洞窟としては広い。不思議な空間だったけど、大声を出す気にはならない。
だって、ここには巨大生物で地面を掘って襲い掛かる、あのパープルワームがいるのだ。
いや、みたことはないんだけど、いるらしい。って。大センパイが言ってるし。
でも、どんなセンパイなんだろう。会えるわけないけど、気になるなあ・・・